クールな彼とちょっとドジな彼女の恋の攻防戦(後日談移動しました)
口テーブルの空いた空間から見える向こうには、ベットが見えて、ちょっとだけドキドキする。
「一つの部屋をこんなふうに仕切りを作って、部屋を2つにするなんて、さすがうちのNo.1ですね」
「こんなの誰でも思いつくだろ」
「そんな事ないですよ」
「それならお前の部屋は?」
「私の部屋ですか?普通ですよ。ベットとソファとテーブルを置いたら狭くて何も置けません。テレビは、床に直置きしてます」
「直置き…ありえねー」
プップップと笑うので、少しだけ言い訳する。
「場所を取らないいい物を、探しているんです」
3年ほど経ちますが、そこは言わない。
「へー」
彼はキッチンに戻り、持ってきたビニール袋に入れたご飯のタッパを見ていた。
「このご飯、何合分ある?」
「二合ぐらいです」
「なんだ、俺と飯食うつもりでいたんじゃないか」
「向井さんの分だけですけど」
「十代じゃあるまいし、二合なんて食えん。お前、半分は食べろよ」
「うちに、私の分があるんですけど」
「それは、お前が責任持って食べろ」
「えー、なんでですか?今日、カレーの気分じゃなくなってたのを、向井さんが食べたいって言うからわざわざ作ったのに、家帰ってもカレーなんて嫌です」