クールな彼とちょっとドジな彼女の恋の攻防戦(後日談移動しました)
「…さっきから質問が多いですよ。見た目じゃ、その人がどんな人かわからないですし、話ただけでその人の性格がわかるわけじゃないんですよ。真面目な人だと思っても付き合ったら豹変するって事だってあるし、渡部さんのようにチャラそうに見えて、一途だって事もありますけど、兎に角、一人でいる方が気が楽でいい事尽くめなので、今は、どんな人でも、恋愛対象に見えません。以上です。いい加減、カレー食べていいですか?」
「今は、なんだよな?」
「何がですか?」
「いや、俄然やる気が出たって事だから、気にするな。ほら、食べろ…うまそうだろ」
「作ったのは、私ですけど」
「なら、味は保証済なんだろ」
「市販のルーなので、不味くはないと思います」
彼が、一口目を口に入れた。
「うわっ…」
「えっ、美味しくないですか?」
「めちゃくちゃ美味い。俺好み」
美味い、美味いと、彼はあっという間にペロリと食べて、私のカレーにも手を伸ばし出す。
「ちょっと…私のご飯取らないでください」
「家にあるって言ってたろ。ケチケチするな」
美味しそうに食べてくれる彼の食べっぷりに、私は、一口目をスプーンにとっただけだったので、残りをあげる事にした。