クールな彼とちょっとドジな彼女の恋の攻防戦(後日談移動しました)
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結局、昨日の私の土曜日は散々な日だった。
向井さんの部屋から慌てて戻った私は、自分のエリアに帰ってきた安堵感から脱力し、ベットに倒れるように横になった。安静にしているにもかかわらず、しばらく、わけのわからない動悸に息苦しさを感じながら、彼の最後の言葉に、戸惑っていた。
逃がさないって…なに⁇
まさか、向井さんが…私を?
いや、ないない…
最初の出会いがあれじゃ…ないでしょ!
出会ってまだ数回、彼に好かれる要素があったとは思えない。
パンツ丸見えに始まってから、彼には、私のドジを披露してしまったし、愛想もなく、言いたい事はズバズバと言っていた。
可愛げのない女だと思われても、好意を寄せられる理由は思い当たらない。
だから、あれはなんだったのだろう⁇
まさか…私の態度の悪さが目に余る時は、呼び捨てにされ怒られると言うことなのか?
だから、今日は、許してやるって事だったのか?
考えても考えても困惑するばかりで、洗濯物を、干し忘れていていると気がついたのは、夕方になってからだった。
そして、もう一度洗い直しをする羽目に。
はぁーと、ため息を吐いた私は、その間にお風呂掃除をしようと浴槽の中を洗っていたら、頭をあげた瞬間、蛇口にゴツんと頭部をぶつけてしまい、何もする気が失せてしまう。