クールな彼とちょっとドジな彼女の恋の攻防戦(後日談移動しました)
あーぁ…
出るのはため息だけ。
ソファでぼーとしていたら、向井さんとの事を思い出してドキドキしだし、TVをつけても画面に集中できず、脳裏に浮かぶのは、向井さんの顔。何か集中できるものをとスマホでパズルゲームをしだしても、うまくいかない。
なんなの⁇
こんなわけのわからない状態になった事がなく、この感情を誰かに共有してほしくて、絵梨花にメールを送った。
ただ、今日は何をしてもうまくいかないと送ればよかったものを『向井さんのせいで、厄日だ』と送ってしまったばかりに、メールでは埒があかないと明日、絵梨花と会う事になってしまった。
夜中、絵梨花にどう話していいのか悩んで、なかなか寝付けなく、寝不足で待ち合わせのカフェに向かった。
「待った?」
「さっき来たところ」
ほら、座ってと、なかなか座らない私に、前の席を座るように促す絵梨花の表情は、期待で満ちている。
期待するような話じゃないんだけどな…
飲み物と軽食を頼んだ後、絵梨花が目を輝かせて私が話だすのを待っていた。
「あのね…」
「うん」
彼女の嬉しそうな声と笑顔は、明らかに勘違いしている。
「絵梨花が期待するような話じゃないんだけど」