クールな彼とちょっとドジな彼女の恋の攻防戦(後日談移動しました)
「お仕置きだからな」
「な、なんでお仕置きになるんですか?」
「そうでも言わないとお前、俺に遠慮して自分で買い直すだろ」
まぁ…ネットでポチッとしますね。
「お仕置きされたいなら、それでも俺はいいけどな」
「なんとなく怖いので遠慮します。ちゃんと請求するので、ご心配なく」
「残念」
微笑む笑顔は、ちっとも残念がってなく、まるで、私の性格を把握して、そう言うだろと思っていたようだった。
「じゃあな」
と、言った彼は、エントランスをさっさと出て行き、外の肌寒さに身震いしたら、肩をすくめてジャケットのポケットに両手を入れコンビニに向かって歩いて行った。
そんな彼の背を見送った私は、自分の部屋に戻って早速、彼のニットを化粧汚れ専用の洗剤につけた。
優しく揉み洗いし、汚れは目立たないと思うが、乾いてみないとわからないので、落ちていないようなら内緒で、クリーニングに出すつもりでいる。
ヒビの入ったフィルムを外すと、本体の画面には影響なかったので、早速、ネットでポチッと注文した。
彼には請求すると言ったが、元々自分が周りを見ていなかったせいなので、最初から自己責任だと思って買ってもらう気はなかったのだ。