クールな彼とちょっとドジな彼女の恋の攻防戦(後日談移動しました)
会社では、女性達からクールで口数が少なく、愛想がないところが、素敵だと言われているけど、私の知る彼は、よく笑うし、性格悪いし…んっ?まさか、さっきのあれって…まさかね。
前に、彼の前で泣いたから…励ましてくれてたとか?
考え過ぎだと、私は頭の中のモヤモヤを振り払った。
翌日、定時になる少し前に、促進販売部から会議室にお茶を10人分用意して欲しいと頼まれ、時間が時間なのでパートさんに頼めず、私が持って行くことになった。
それで、給湯室からお盆にのせて運んでいたのだが、お盆ばかりに気を取られ足元に注意が向いていなかった私は、ヒールの先で前のめりになり、手に持っていたお盆ごと転びそうになったところを、向井さんに助けられた。
いや、違うな…
お盆のお茶は、無事、彼が支えてくれたが、私は、前のめりになりながら、ヨロヨロと膝から落ちて両手をついていたのだ。
「あの…なぜ向井さんと居酒屋にいるんでしょうか?」
「俺が誘ったからだろ」
「そうなんですけど…助けたお礼にちょっと付き合えが、なぜ居酒屋なんですかね?お茶は無事でしたけど、私、膝頭打ったんですよ。助けられてないですよね?」