クールな彼とちょっとドジな彼女の恋の攻防戦(後日談移動しました)
私をみる彼の艶めいた眼差しに、私の心臓は、ドキドキと加速しだす。
どうしてそんな目で私をみるの?
「これなら、ドキドキしないか?」
「あ、あの…」
私の頬を撫でる彼の手によって熱い頬が更に熱をもって、熱くなってる気がする。
「……からかってます?」
「からかってるようにみえるか?」
「わ、わからない、です。とにかく、離してください」
「いやだ」
「いやて…なんで?」
「わからない?」
「わから…」
突然、唇に重なる冷たい唇に、パニックになる。
向井さんの腕の中から、離れようとしても、腕を掴まれて離れられないまま、重なる唇が、角度を変えて何度も唇を甘く啄んでいく彼の表情を、見ているしかできない。
そして、唇が離れたと同時に腕を掴んでいた手が緩んだ。
「パチン」
その瞬間、緩んだ手を振り払い、私は彼の頬を叩いていた。
「いて…、思いきり叩くことないだろ」
「叩かれることするからです」
「キスしたくなったんだから仕方ないだろ」
「……揶揄う為にキスするなんて…ひどいです」
ポロポロと泣き出した私は、なぜ自分が泣いているのかわからないまま彼を置き去りにして、マンションの中にかけていった。