クールな彼とちょっとドジな彼女の恋の攻防戦(後日談移動しました)

ちょっとした嫌がらせぐらいで、終わってくれればいいのだが…はぁーと、大きなため息がでた。

そして、面倒で梶岡さんの勘違いを否定していないことを思い出す。

そうよ!
私、彼氏がいることになってる。

そう、そう…
ラブラブな彼氏がいる。

うん、彼女らも、ラブラブな彼氏持ちなら、敵認定しない気がする。

私は、誤解を否定しないことで身の安全を守ると決めた。

絵梨花には、後で話をして、私に話を合わせてもらおう事にして、梶岡さんには申し訳ないが嘘をつき通そう。

我ながらの解決案に気はうかれ、もう一方の難題を片隅に置き去りにしたままトイレから出ると、待ちくたびれたように、腕を組んだ姿のまま無表情に壁に寄りかかって待ち構えていた人がいた。思わず、このまま、またトイレに逆戻りしようと一歩後退した足がバランスを崩してしまい、倒れそうになった所を彼が手を差し出して助けてくれた。

「ほんと、どうしたら転けそうになるんだ?」

訳がわからんと、首を捻り私を立たせてくれるが、掴んだ腕を離す気はないらしく、辺りを見回し、人の気配がない事を確認した後、地下にある、あまり使われていない倉庫代わりの部屋に連れて行かれる。そして今、ドアの前に立った彼に逃げ道を塞がれている状況にいる。
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