クールな彼とちょっとドジな彼女の恋の攻防戦(後日談移動しました)
「ねぇ、まさか…あの告白って」
「そのまさかだと思う」
「えー、私、完全に被害者だよ」
彼女にとって、私は敵認定されたのだ。
「そうよ。きっとあの男、親睦会からの小野寺さんのアプローチを断れなくて、咄嗟に親睦会で彼女の莉子に対する態度で何か感じたんでしょ。そういうところずる賢いから、アプローチから逃げる手段にあの場を利用しようとしたとしか思えない」
「でも、そんな事をして梶岡さんにメリットある?」
「あるわよ。彼氏持ちの莉子なら、告白しても自分に振り向かないって確信してたんでしょうよ。だから、梶岡さんは、大勢の前で莉子に気のあるふりして、噂を広めさせたの。梶岡は、桃寺に夢中だってね。小野寺さんを諦めさせるために、小狡い手を使ってきたの」
「自分で断ればいい話じゃないの?」
「あの小野寺さんだよ。ただ断っても諦めると思う⁈…誰かに彼女のふりをしてもらって勘違いされても困るし、片思い設定で他は眼中にないっていうアプローチ。それで莉子がどんな目に合うかまで考えていないから、ほんと、詰めが甘い。莉子の彼氏が向井さんだったら、守ってくれて梶岡さんと、小野寺さんをギャフンと言わせてくれそうなのに…」
「無理無理…絶対ない」