クールな彼とちょっとドジな彼女の恋の攻防戦(後日談移動しました)

「ないない、それこそ、向井さんのファンも敵にしてしまうから無理」

「そうかな⁈向井さんなら守ってくれると思うけどな…梶岡さんは、小野寺さんの意識を自分から莉子に向けて、彼女から逃げたいだけだと思うし、兎に角、小野寺さんがどう出てくるかだけど、向井さんに彼のふりをお願いすることも考えておいた方がいいわよ」

「…他に方法はないのかな?」

頭の中に、向井さんの事が好きな砂羽さんの顔がちらついた。

「ないことはないけど、梶岡さんに勝てる独り身の男って、向井さんだけだよ。彼なら、周りも小野寺さんも梶岡さんは勝てないってわかるでしょうし、いい方法だと思うけどな。砂羽さんには悪いけど、向井さんは莉子に気があると私は思ってる。莉子と向井さんお似合いだよ」

「気のせいだって…私なんかより砂羽さんの方が…お似合いだよ」

私の否定の言葉は聞き流されて、絵梨花は言うだけ言うと、帰って行った。

そしてまた、手にあるスマホが鳴った。

『待ってる』

その文の上に出ている絵梨花が勝手に送った文字に、絵梨花め…と怒りを覚えたのだ。

『焦らないで…待ってて(ハートマーク)今、あなたの為に準備してるのよ』

もう何、送ってくれてるのよ…
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