残り香
「生者の都合による予定時刻の繰り上げは自ら命を絶ったのと同等に扱われ、厳しい罰が待っている。
それでもいいのか」
低く静かな死神の声は私を裁くかのようだった。
しかし何度確認されても私の気持ちは変わらない。
「かまわないから。
さっさと終わらせて」
無言の死神はフードのせいで表情はわからない。
ただ唇はなにかを堪えるかのようにきつく真一文字に結ばれていた。
「わかった。
俺も仕事が早く終わるのは助かる」
軽い調子に戻った死神の声だが、どこか震えている気がするのは気のせいだろうか。
振り上げられた鎌に目を閉じる。
……痛いのかな。
苦しいのかな。
まあ、どっちだってかまわないけど。
じっと、やってくるであろう瞬間を待つけれど、いつまでたっても変化はない。
それでもいいのか」
低く静かな死神の声は私を裁くかのようだった。
しかし何度確認されても私の気持ちは変わらない。
「かまわないから。
さっさと終わらせて」
無言の死神はフードのせいで表情はわからない。
ただ唇はなにかを堪えるかのようにきつく真一文字に結ばれていた。
「わかった。
俺も仕事が早く終わるのは助かる」
軽い調子に戻った死神の声だが、どこか震えている気がするのは気のせいだろうか。
振り上げられた鎌に目を閉じる。
……痛いのかな。
苦しいのかな。
まあ、どっちだってかまわないけど。
じっと、やってくるであろう瞬間を待つけれど、いつまでたっても変化はない。