人の彼氏とるんじゃねぇーよ！

そんなことを隣の人が言うから

慌てて口を押さえた。


「俺の名前は、牧田俊」

今度はわざとらしく大きな声で言った。


今度は大きすぎるんだけどなw


「あんたの名前は？」


「佐野京香。」


牧田は、一人でウンウンと頷いている。


変な人。


そうだ私が聞きたいのはこんなことじゃない。


「ねぇ、なんであなたは

廊下に見に行かないの？」


「興味ねぇ。」


「ふーんそう。」


「オメェから聞いといてその態度はないだろ！」

次は一人で怒り始めた。


面白い人だ。

すると妃柚花がきた。



「なになに

もうこのイケメンと仲良くなったの？」


「ちっ違う！！

なんで廊下に行かないの？って聞いただけだよ。


ねぇ牧田。」


「さぁー？どーだか。

あと、なんで苗字なわけ？」


「ほぇ？」


間抜けな声が出てしまった。

すると彼は小さくこう言った。



「ちゃんと名前で呼べよ。」

「は？」

彼の顔がほんの少し

赤くなっているような気がした。


「なんでもねぇ」