Sweet in my Room!!
実家の前までつくと、僕はインターホンを鳴らした。

「はい。」

インターホンを取ったのはどうやら華恋のよう。

「あ、龍仁だけど。」


返事のかわりに、ムダにデカい門が自動で開いた。

門から玄関までの長い石畳を歩く。庭の池では相変わらず元気に鯉が泳ぎ、盆栽はキレイに並んでいる。松の木も切りそろえられて、改めて実家に帰ってきたんだな、ってことを実感する。


「ただいま帰りました。」


家の重い戸をガラガラと開ける。


「おう、久しぶりだな。」

「わっ!出た!」


真っ先に僕の目に飛び込んだのは、玄関で腕組みし仁王立ちする華恋の姿だった。


「なにビックリしてんだよ。」

「ビックリせずにいる方がムリだわ。」



そうか、

今気付いたケド…




サーコと華恋って似てるわ、


この男勝りなトコ!




「で、父さんは…」

「たぶん茶室。」

「そう。」


だろうな、と思いつつ靴を脱ぎ家にあがる。


「千賀子さんは?」


千賀子さんとは、僕の実の母親のことで、ウチではなぜか僕と華恋は母親をそう呼んでいる。


「あー、昨日から京都に旅行行ってる。」

「また!?」

「1週間くらいは帰ってこないかもね。」

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