Sweet in my Room!!
「なんか……デカすぎてピンとこないんですけど。」

「こんな門ごときでビビってるようじゃ、中入ったらぶっ倒れんぞ。」

「うん、あながち否定できないわ!」


航太の脅かすような言葉も今のあたしには正論にしか聞こえなかった。


口をあんぐり開けてるあたしをよそに航太は平然とインターホンを押した。



「はい。」

「ちゃーっす。航太くんです!開けてー。」

「ハイハイ。」


「開け~…ゴマダレ!」



その瞬間重たそうな門がゆっくり開いた。


航太のくだらないギャグはともかくとして、ホントすごいわ、この家。


航太を先頭にして中へと入る。


「すっごーい!龍ちゃんち江戸時代みたいだね!徳川家康ってカンジー☆」


「ねぇ、マキマキ…気持ちはよくわかるけどその感想、褒めてんのか、けなしてんのかよくわかんないから!」



確かにマキマキが言いたいことは分かる。

長い石畳、
並べられた盆栽、
立派な松の木、
獅子おどし、
大きな池に錦鯉。
池の上には赤い橋。




ちょっとした庭園かっ!


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