Sweet in my Room!!
なんならこの庭にこれからお見合いのカップルがやってきて「ご趣味は?」なんて初々しい会話しちゃいそうだよ!


スゴいなぁ…


「よそ見ばっかしてると迷うぞ。」

「え、あぁ…!」


慣れたようにズンズンと突き進む航太の後ろをマキマキと足早に追いかけた。


ようやく玄関にたどり着き重々しい戸をガラガラと開ける。



「いらっしゃい。」

「龍ちゃん久しぶり!」



アイボリー色の着物に紺色の帯をしめ、めずらしく髪の毛もキチンとセットした龍仁があたしたちを出迎えた。


約1ヵ月ブリに会う龍仁はなんだか前より大人びていて違う人のような気がした。


そういえば着物姿、見るの初めてだし…



「中に入って。中庭でお茶ごちそうするから。」



中庭!?

中庭もあんの!?

フツーの家庭には中庭なんてないカラー!

ありえないカラー!


ありえない展開続きに思わず変なツッコミになる。


龍仁に案内され中庭へと向かう。

家の中はまさに和。

和・和・和・和・和!


まさに時代劇に出てきそう…


まっすぐ長い廊下を歩き、突き当たりを右に曲がる。


「ここが茶室で、そっちが中庭。」


中庭には丸石のジャリがびっしり敷き詰められていて、その上には3人掛けくらいの長いイスのようなものが点々といくつか置かれていた。

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