Sweet in my Room!!
部屋を出て長い廊下を歩き、父がいるであろう部屋へ向かう。



また朝一でお茶とかたててんのかなー…









うちは、ずーっと昔から代々続く





茶道の家元です。




僕の父親である二神 義政(ふたがみよしまさ)は、お茶の世界では神と言われるような人で知らない人はいません。


父親が開くお茶の教室には、玄人(プロ)の方しか来ません。



詳しいことはよくわかんないけど、とりあえずウチはきっとスゴいんだと思う。



そんな環境で育ってきたため、僕も幼い頃からお茶の稽古をさせられた。


みんな塾に行ってる頃僕はお茶をたて、


みんながサッカーや野球に夢中になっている頃僕は弓道と剣道を習わされ、



とにかくこの15年間ひとことで言うなら“和”に囲まれて生きてきた。





きっと大人になったら家を継がなきゃいけないんだろうな…







はぁ…


今からプレッシャーだわ。


プレッシャーに押しつぶされてしまいそう。




「失礼します。」



僕は父親がいるであろう部屋のふすまを開けると頭を下げた。



父はあぐらをかき、腕組みした状態で僕を待ち構えていた。


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