Sweet in my Room!!
テーブルの上に置いていた楓の携帯がバイブで着信を知らせていた。



「もしもし……はい…はい…あ、マジっすか!?あ~…ハイ、わかりましたー…はーい…はい…。」



パタム―ー。



「女?」


「ちげーよ。仕事の電話。ホントは夜撮影入ってたんだけど、向こうの都合で巻きになった。て、コトで俺っち帰るわ☆」



「え!?」



「なんだよ、そんな驚かなくても…あ、もしやいなくなって寂しいとか?」



「ちがくてさ!アンタ帰ったら今日の夕飯誰がつくんのさ!」



「知るかっ!自分で作れ!それがイヤならコンビニ行け。すぐそこにあんじゃん。」


「え~…めんどくさ。」


「なら食うな。じゃ、俺マジでもう行かないとヤバいから!またな~♪」



えっえっえっ!?


ちょっと……




ちょっとー!!




そう言い残すと楓はそそくさと帰って行った。




「マジ使えない兄貴だわー…」





こうしてあたしのひとり暮らしが始まった。

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