Sweet in my Room!!
「うー………」


「うーじゃなくてさ、起きろってば。」



容赦なく起こしにかかる。


掛け布団をバッと引きはがすと、ようやく起きたようで眉間にシワをよせ、まぶしそうな顔をした。



「おはよッ☆」


そんな龍仁に嫌味のごとく爽やかな笑顔を見せてみる。



「お……はよ…え…な、なに……なにごと…」


今の状況を理解出来ていないようで、まわりをキョロキョロ見渡しながら蚊の鳴くようなか細い声で龍仁が言った。



「あのさ、龍仁、ネクタイ結べる?」


「ネク……タイ?」



目をこすりながら起き上がるとあぐらをかいた。髪の毛は昨日よりもさらにパーマがかっていてモサモサ。

なんか美大とかにいそう




なイメージ。



「ほらウチの高校ネクタイじゃんか!」


龍仁の部屋の壁にかかっていた制服を指差した。男子も女子と一緒で黄金色のネクタイ。


てか、男子がネクタイなら女子はリボンタイにするとかさ、ちょっとは気ィ使ってほしいもんだわ。



「あぁ……そうだね…」


一応起き上がったが相変わらず眠そうな龍仁は一瞬制服に目を向け、またすぐに目をつぶった。



「でさ、あたしネクタイ結べないんだわ。だから教えて。」


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