Sweet in my Room!!
そう言うと龍仁はあたしの前に立ち、あたしの不格好なネクタイを整え始めた。


アレ………



「触って大丈夫なの!?またカラゲーしちゃうんじゃ……」



「触ってんのはネクタイだから………ギリ平気…。」





身体はヤバいが付属品は大丈夫と言う定義らしい。



なんかよくわかんないわ。




……………………



「えい。」


あたしはネクタイを直す龍仁の胸にわざと手の平を当ててみた。



「……………」


ピタリと龍仁の動きが止まった。





「……………トイレ。」



そういってトイレに駆け込んだ瞬間、昨日と同じように人間とは思えないような声の嗚咽が聞こえた。






「マジだ!」


マジで触られるのがダメってことを改めて実証したわ…












―――――――――

「さっきはごめん。」



家を出て学校へ向かう道のり、あたしは未だに青白い顔をしている龍仁に謝った。


あのあと、龍仁はしばらくカラゲーしたのち、フラフラしながらやっとこさ支度をしていた。



朝から叩き起こされネクタイの結び方を教えたあげくにカラゲーさせられ、龍仁にしてみればとんだ災難である。


「もう…いいよ…とりあえずホントに触んないで…お願いだから!」


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