Sweet in my Room!!
「ごめんなさーっい!」



振り返ったあたしの目の前には、カールのかかった髪の毛をボンボンつきのゴムで耳の上あたりで二つ結びにした、かわいらしい子が鼻をさすりながら申し訳なさそうな顔をして立っていた。



「ボーッとしてましたー!」


「へっ?あ…そう…」

「申し訳ない!」


「えぇ?あ、うん…大丈夫…だけど…」



…なんか

ちょっと変わってますよ!このコ!



突然出てきたフシギな女の子にあっけにとられつつまた黒板に向かおうとしたそのときだった。




「あれ?もしかして……美園桜子…ちゃん?」




……………え?


前に向き直した身体をまた元に戻す。



「元、東中の美園桜子ちゃんだよね!?」


「そ、そうだけど…」



「やっぱりー!ひときわ可愛いからすぐわかったよー!一時期読者モデルやってたよね!?」




ゲ!




そう、


あたしは去年まで10代をターゲットにした雑誌の読者モデルをしていた。


雑誌なんて読まないし、モデルなんてやりたくなかったけど楓が勝手に職場の人にあたしを売った。


最初はしょうがない…と思いながらもやっていたが、めんどくさがり屋のあたしに向いてるわけもなく、受験勉強を理由にやめた。


モデルだった期間はほんの数ヶ月だったのにまさか見てたヤツがいたとは…


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