ねぇ、泣かないで?ずっと側にいるから。
いたずら好きなゴンタは、よく壁やカーテンに傷をつけて、お母さんや私を困らせた。

「ちょっとー!私の宿題がぁ~!!!」

「こら!カーテン破ったのだれ!?出てらっしゃい!」

家にはいつもこんな悲鳴のような会話が飛び交っていた。
しかし、猫というのは恐ろしいもので、一言、

にゃあ~ん

といってお腹をみせれば誰も何も言えなくなる。ゴンタはそれをじゅうにぶんに発揮し、怒られるのを免れてきた。

そんなこんなで、私の家はいつも賑やかだったなぁ。

そして現在、私はゴンタとふたり、同居生活をスタートさせたのだった。
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