君を想った3年
この7人の中でも、1番仲の良い奈ノ花と
雑談をしながら歩いていた。
でも、正直、右耳から入って左耳に抜けている。
私は「人見知り」という言葉がとてもよく似合う人間だ…。
ブルーな気分になりつつも、足を進めた。
今日から通うことになる中学校まであと少し、
というところで、信号にひっかかってしまった。

そのとき、私の斜め前にお父さんらしき人物ときている、
男の子がいた。
その子が履いている靴は私達同様、真っ白でピカピカ
だったので、1年生だとすぐにわかった。
私はその子のことを「かっこいい子だな」と思った。

でも、私がそう思うのはいつものことだった。
見た男の子のほとんどを「かっこいい」と思うのは、
私のちょっとした癖だった。
なぜなら、私はBせn…。
なので、その男の子のことを、奈ノ花達に言っても
当然理解、共感はえられなかった。

上級生の「おめでとう」という言葉に包まれ、
門をくぐると、すぐにクラス分けの紙が貼ってあった。

クラス分けの結果は、2人、3人、2人と分かれた。
幸いなことに、私は奈ノ花と同じクラスだったので、
「友達ができないかもしれない」という不安は
なくなった。
< 2 / 3 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop