君を想った3年
私と奈ノ花は1-Bだった。
教室に入ると、知らない人だらけで、一気に怖くなった。
最初の印象は…「うるさい人が多い」クラスだった。
男子という生き物はコミュニケーション能力が高いようで、
すぐに仲良くなっていた。
奈ノ花も前や後ろの席の子と話を始めていた。
私はというと、髪の毛を2つに分けて結んでいたので、
それが珍しかったらしく、女子の何人かと、
名前だけの軽い自己紹介を交わした。
チャイムがなり、髪の毛を1つにまとめた先生が
入ってきた。

「私が1-Bの担任の、池谷夏季です。よろしく。」

という、とてもシンプルな自己紹介をしてすぐに、

「出席番号順に並べ、入学式が始まるので急ぐように」

と声をかけていた。
「本当にシンプルな先生だな」と思った。
男女別々の列に並ぶと、
右斜め前に朝見かけた男の子がいた。
私は、直感的に

「好きだ」

と思ってしまった。
私の人生で初めての一目惚れだった。

「どこを好きになったのか」

と聞かれると、答えるのが難しい。
ただ、

「この子のことを知りたい、話したい、仲良くなりたい」

と、とても強く思った。
それ以外は、曖昧にしか覚えていない。
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