Fall in Love. ~一途な騎士団エリートによる鈍感公爵令嬢の溺愛~
「案外嫉妬深いのね。

分かったわ。気をつける。」

素直に答えるのが、フォルティスを安心させる1番の方法だと思う。

「それだけ好きってことだよ。

そろそろ戻るか。冷えてきただろ。」







どうしよう。ピンチな気がする。

「リリアンヌ嬢。少しくらい目を合わせていただけませんか。寂しいですよ。」

この調子でずっと上を向かせようとしてくるの。

隣でフォルティスが踊りながらじっと見ているというのに。

「そんなに照れないでください。」

そう言いながら、顎に手を添えられたとき、、、

「触るな。」

パッとフォルティスの手が現れて相手の腕を掴んだ。

その強さと目の鋭さに萎縮した相手は、手を離された後も踊り終わるまで一言も話さなかった。

私が礼を取って終わる前に、逃げていってしまった。

「もう、フォルティスったら!

知らない人がこれを見たら、私のことを怖がって逃げたみたいじゃない!」

「悪いか?条件を出したが、リリを守るのは俺の役目だからな。

ほら、ラストは俺とだろ。」

そのまま続いて踊ることにしたので、息があがってくる。

「明日から3日間、少し仕事で遠出するんだ。

場所は守秘義務のために言えないが。

だから、もうドレスを屋敷に送ってある。

それを着るなら、俺がいなくても参加していいぞ。

それ以外のドレスなら、ダメだからな。」

「そんな、ドレスまで決めるなんて!」

不服そうな顔をして見せても、何の効果もない。

「悪いか?これが独占欲だよ。」

開き直ってしまった。

「独占欲だよ。じゃないわよ!

最近、キャラが変わってきたわね。」

「そうだな。

他の男たちをリリに、近寄らせまいと必死だからな。」

諦めることにして、話を切り替える。

「どんなドレスなの?」

「顔以外ほとんど出てないようなデザインだよ。

悪いとは思うけど、なりふり構っていられないんだよ。

やっぱりリリは噂にもなるし、憧れられているからな。

気になってる男も山ほどいる。

まぁ、隠したところで内面の美しさは滲み出てしまうんだからしょうがないが。」

「分かったわ。

でも、そんなに信用してくれていないなんて悲しい。」

少し大袈裟に言うと、目に見えて慌て始めた。

「傷つけるつもりはなかったんだ。

本当にごめんな。

信用しているよ。

でも、リリは女の子だから心配なんだ。

分かるか?

信用してないんじゃなくて、心配してるんだ。」

おろおろと言葉を繋ぐところなんて見たことない。

「そんなに焦ってるフォルティス初めて見れたわ!」

「それだけ大事ってことだよ。

伝わっただろ?」

「えぇ。やっぱりずるいわ。

そんな言い方されたら私勝てるわけないもの。

でも、気をつけて行ってきて。

元気で帰って来て。頑張ってね。」

「そんなに危険な仕事じゃないから安心して。

帰って来た日は、午後から会いに行くな。

午前は報告とかあるから、ごめんな。」
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