Fall in Love. ~一途な騎士団エリートによる鈍感公爵令嬢の溺愛~
「そんなこと思わないわよー。他の人と違って私は金髪じゃないし、見劣りして恥ずかしいもの。
それに、童顔だからって理由だけでかわいいと言われるのは不本意なのよ。」
この国の大半は茶色がかった髪だが、貴族のほとんどは金髪や、色素の薄い髪色をしている。
「は?まだそんなこと言ってるの?本気で?」
??どういうことだろう。
騎士団に所属してから、確実にカイの言葉使いが悪くなってしまっている。
「え、えぇ。カイ、最近とても言葉使いが悪いわよ。」
「そこじゃなくて!あーもう、本当に心配だよ。」
「はっはっはっは。
本当にカイはリリのことが大好きだなぁ。
私は嬉しいよ。こんなに仲のいい姉弟で。」
お父様は食事を終えて、のんびりとコーヒーをおかわりしている。
いつもお父様とお母さんはのんびりしていて、側近の人たちは振り回されていたみたい。
私もオレンジのゼリーを食べて終わりそう。
すごく美味しいからシェフにまた今度作ってもらいたい。
「「仲良くありません!」」
「ははっ、そうかいそうかい。
私にはそうは見えないけどなぁ。」
お母さんもお父様も、私とカイが仲良しなのが自慢だった。
けんかは滅多になく、あってもすぐに仲直りする。
「リリ姉は僕のこと大好きですけどね。」
「あら、それはカイの方でしょう?」
「まあまあ、どっちもどっちだな。
それと、リリ、今年も来てるぞ、彼から。」
入り口近くのテーブルに出来た大きな山を指差しながらお父様が言う。
「え、、、?本当ですか?」
「あぁ。後で開けてみるといい。」
そう言って仕事に向かってしまった。
カイもコーヒーを飲み干すとガタッと立ち上がり、振り返りにやっと笑って制服のコートを羽織った。
「そうしますわ。ありがとうございます。」
「リリアンヌ様、プレゼントをお運びしてもよろしいですか?」
自室に戻ると、執事のレインが聞いてきた。
「ええ、お願いね。マリン、レイン。」
「かしこまりました。少しお待ちください。」
少し待っていると、5人の侍女と共に2人が戻って来た。
1つずつ送り手が分かるようにメッセージカードを上にしてテーブルに並べてくれる。
はぁ、これは開けるのも大変なのよね。
もらって嬉しいけれど、国中のほとんどの貴族から送られてくるから、その全てにお礼状を送り返すのが本当に大変。
お礼状は、後でマリンに手伝ってもらうとして、、、
「こちらはカイ様からです。」
薄いラベンダー色の紙で包装された細長い箱と、白い筒状の箱を渡された。
「ありがとう。」
去年は大人気のシリーズ本だったのよね、、、
今年は何かしら。
丁寧に細長い箱を開けると、きれいな彩飾が施された扇子が入っていた。
もう1つの筒を開けると、ミストのようなものが。
注意書きはどこかしら。
えーと、、、、、、、
つまりこれは催涙スプレーということね?
カイらしいわ。防犯グッズをくれるなんて。
「カイ様からはなんでしたか?」
「扇子と催涙スプレーだったわ。
身を守るためらしいわよ?」
自信があるとはこのことだったのかと納得する。
「とてもカイ様らしいですね。」
「そうね、騎士団としての意識の高さかしらね。
もう少し女心を分かるようにならないと、モテないわ。」
姉としていらぬ心配をしてしまう。
「いえいえ。カイ様目当てに訓練後、詰所の外に女の子たちが集まるそうですの。
女の子たちもお目が高いです。」
カイはこの国の黒曜騎士団に所属していて、憧れの先輩たちに影響を受け、屋敷の警備体制なんかにも興味を示していた。
観察力の鋭さと反射神経でエリート軍団のフェニックスに選ばれたらしい。
包装紙と箱を脇に置いた私の目の前にずっ、と差し出されたのは大きな白い箱。
見慣れたその箱はうちのお抱えのオートクチュールのファッションブランド、『ローラン』のもの。
箱に花の刺繍をするなんて凝ったことをするのはこのブランドくらい。
誰からだろうと不思議そうに見上げると、にやにやしているマリンの顔が飛び込んでくる。
「騎士団と言えば、こちらが今年のプレゼントです。
あの方からの。」
マリンの表情の理由が分かり、納得する。
「そう、、、開けるべきよね。」
「もちろんです!!さぁさ、開けてみてください。」
マリンの勢いに圧され、きれいに結ばれている薄いピンクのリボンを引く。
「分かったわ。」
開けてすぐに淡い黄色の生地が目に入る。
「ドレス、だわ。普段用の。
それに、こっちの箱はピアスね。」
もう1つの小ぶりの黒い箱にも見覚えがあった。
こっちはお抱えの宝石商の包装で、ピアス用のもの。
開けて、やっぱりと思いながらも気に入ってしまう。
どうしよう。会ったことのない人からのプレゼントなのに、ものすごく好みのデザインだわ。
キャラメル色の私の髪に合う、白から黄色のグラデーションの生地に、腰回りからふんわりした裾にかけては、金糸で花の刺繍が施されている。
ピアスもおそろいの小花があしらわれている、小さくて軽いデザイン。
「他にもこちらの花束が添えてありましたよ。」
マリンの顔が半分以上隠れる程の大きさ。
オレンジを基調とした華やかな花束。
「まぁ。こんなにいっぱい?何本あるのかしら。」
本当にキレイなローズね。
しかも私の好きな種類ばかり。
もしかして会ったことはないと思っていたけれど、よく知っている方なのかしら。
それに、童顔だからって理由だけでかわいいと言われるのは不本意なのよ。」
この国の大半は茶色がかった髪だが、貴族のほとんどは金髪や、色素の薄い髪色をしている。
「は?まだそんなこと言ってるの?本気で?」
??どういうことだろう。
騎士団に所属してから、確実にカイの言葉使いが悪くなってしまっている。
「え、えぇ。カイ、最近とても言葉使いが悪いわよ。」
「そこじゃなくて!あーもう、本当に心配だよ。」
「はっはっはっは。
本当にカイはリリのことが大好きだなぁ。
私は嬉しいよ。こんなに仲のいい姉弟で。」
お父様は食事を終えて、のんびりとコーヒーをおかわりしている。
いつもお父様とお母さんはのんびりしていて、側近の人たちは振り回されていたみたい。
私もオレンジのゼリーを食べて終わりそう。
すごく美味しいからシェフにまた今度作ってもらいたい。
「「仲良くありません!」」
「ははっ、そうかいそうかい。
私にはそうは見えないけどなぁ。」
お母さんもお父様も、私とカイが仲良しなのが自慢だった。
けんかは滅多になく、あってもすぐに仲直りする。
「リリ姉は僕のこと大好きですけどね。」
「あら、それはカイの方でしょう?」
「まあまあ、どっちもどっちだな。
それと、リリ、今年も来てるぞ、彼から。」
入り口近くのテーブルに出来た大きな山を指差しながらお父様が言う。
「え、、、?本当ですか?」
「あぁ。後で開けてみるといい。」
そう言って仕事に向かってしまった。
カイもコーヒーを飲み干すとガタッと立ち上がり、振り返りにやっと笑って制服のコートを羽織った。
「そうしますわ。ありがとうございます。」
「リリアンヌ様、プレゼントをお運びしてもよろしいですか?」
自室に戻ると、執事のレインが聞いてきた。
「ええ、お願いね。マリン、レイン。」
「かしこまりました。少しお待ちください。」
少し待っていると、5人の侍女と共に2人が戻って来た。
1つずつ送り手が分かるようにメッセージカードを上にしてテーブルに並べてくれる。
はぁ、これは開けるのも大変なのよね。
もらって嬉しいけれど、国中のほとんどの貴族から送られてくるから、その全てにお礼状を送り返すのが本当に大変。
お礼状は、後でマリンに手伝ってもらうとして、、、
「こちらはカイ様からです。」
薄いラベンダー色の紙で包装された細長い箱と、白い筒状の箱を渡された。
「ありがとう。」
去年は大人気のシリーズ本だったのよね、、、
今年は何かしら。
丁寧に細長い箱を開けると、きれいな彩飾が施された扇子が入っていた。
もう1つの筒を開けると、ミストのようなものが。
注意書きはどこかしら。
えーと、、、、、、、
つまりこれは催涙スプレーということね?
カイらしいわ。防犯グッズをくれるなんて。
「カイ様からはなんでしたか?」
「扇子と催涙スプレーだったわ。
身を守るためらしいわよ?」
自信があるとはこのことだったのかと納得する。
「とてもカイ様らしいですね。」
「そうね、騎士団としての意識の高さかしらね。
もう少し女心を分かるようにならないと、モテないわ。」
姉としていらぬ心配をしてしまう。
「いえいえ。カイ様目当てに訓練後、詰所の外に女の子たちが集まるそうですの。
女の子たちもお目が高いです。」
カイはこの国の黒曜騎士団に所属していて、憧れの先輩たちに影響を受け、屋敷の警備体制なんかにも興味を示していた。
観察力の鋭さと反射神経でエリート軍団のフェニックスに選ばれたらしい。
包装紙と箱を脇に置いた私の目の前にずっ、と差し出されたのは大きな白い箱。
見慣れたその箱はうちのお抱えのオートクチュールのファッションブランド、『ローラン』のもの。
箱に花の刺繍をするなんて凝ったことをするのはこのブランドくらい。
誰からだろうと不思議そうに見上げると、にやにやしているマリンの顔が飛び込んでくる。
「騎士団と言えば、こちらが今年のプレゼントです。
あの方からの。」
マリンの表情の理由が分かり、納得する。
「そう、、、開けるべきよね。」
「もちろんです!!さぁさ、開けてみてください。」
マリンの勢いに圧され、きれいに結ばれている薄いピンクのリボンを引く。
「分かったわ。」
開けてすぐに淡い黄色の生地が目に入る。
「ドレス、だわ。普段用の。
それに、こっちの箱はピアスね。」
もう1つの小ぶりの黒い箱にも見覚えがあった。
こっちはお抱えの宝石商の包装で、ピアス用のもの。
開けて、やっぱりと思いながらも気に入ってしまう。
どうしよう。会ったことのない人からのプレゼントなのに、ものすごく好みのデザインだわ。
キャラメル色の私の髪に合う、白から黄色のグラデーションの生地に、腰回りからふんわりした裾にかけては、金糸で花の刺繍が施されている。
ピアスもおそろいの小花があしらわれている、小さくて軽いデザイン。
「他にもこちらの花束が添えてありましたよ。」
マリンの顔が半分以上隠れる程の大きさ。
オレンジを基調とした華やかな花束。
「まぁ。こんなにいっぱい?何本あるのかしら。」
本当にキレイなローズね。
しかも私の好きな種類ばかり。
もしかして会ったことはないと思っていたけれど、よく知っている方なのかしら。