Fall in Love. ~一途な騎士団エリートによる鈍感公爵令嬢の溺愛~
気づいた気持ち
「そんなに全て打ち明けてしまったんですか?
くっくっくっくっくっ。
よっぽど必死だったんでしょうね。」
心配そうに迎えに来てくれたマリンと部屋に戻りながら、今日あったことを報告した。
部屋に着くと、さっそくドレスを脱ぐ手伝いをしてくれたが、笑いが止まらない様子。
「びっくりしたわよ。
まさかマリンが協力していたなんて。
それは確かに、私のほしいものがばっちり分かるわけね。」
そう言って、ちょうど付けていたフォルティスからもらったピアスを外し、じっと見る。
何回見てもかわいいと思う。
「あら、私はピアスを欲しがってますよ、と伝えただけですよ?
選んだのはフォルティス様です。」
「そうなの?」
「はい。
騎士団の人気のある後輩には聞きにくいから、と屋敷にいらっしゃったときに、お願いされたんです。
しかも、騎士団はみんな知っているそうですよ。
『指揮官様は一途に愛している人がいる。』
とか、
『誘いを断るのは女性に興味がないからだ。』
とか、
『恋愛の話になるといつもとの差がすごい』
とか。
幼なじみから聞いただけでも、いろいろでした。
どのくらい知っているかにもよりますが、みんな何かしら知っているそうですよ。
それもこの社交シーズンまでですけどね。
リリアンヌ様がデビューしてからは、フォルティス様の溺愛っぷりが社交界の噂になっているので、愛しの女性が誰かバレたそうですよ。」
部屋に着いてから笑い続けていたマリンは、とうとう涙が出てきたらしい。
私はというと、びっくりして口がふさがらない。
「そんなに!?」
「はい。カイ様もみんなに聞かれて大変だと言っておられましたから。
本当に羨ましいです!」
そう言って、恋する乙女のように手を胸の前で組んだマリンがどうして羨ましがるのか、分からなくて、首を傾げた。
「羨ましいの?どうして?」
「男性に愛されて結婚できることは、世の中の女性全ての夢ですから。
最近は恋愛結婚が増えていますが、まだまだいいなずけがいる世の中です。
好きな人に愛されることほど、幸せなことはありませんよ。」
いつも、マリンの答えはシンプルかつ的確だ。
「そうだったのね。
私は両親が恋愛結婚だから、そんなに珍しいことではないと思っていたわ。」
私の両親は何年経っても、らぶらぶだった。
「確かに旦那様たちはそうですね。
当時は、奥様の身分が少し下だったので、反対もあったそうですよ。」
「知らなかったわ。
2人とも言ってくれないから。」
すると、少し申し訳なさそうに教えてくれた。
「旦那様はもう関係ないことだから、と私たちにも話してはいませんよ。
私は当時の先輩にタブーとして聞いたんです。」
「話が離れてしまいましたが、フォルティス様がリリアンヌ様を大切にしているのは本当です。
私はリリアンヌ様を一番幸せにしてくれるのは、フォルティス様だと信じていますから。
ですが、、、嫉妬深いところだけは気をつけてくださいね。」
「えぇ。私もそろそろ認めるわ。
フォルティスのことが好きなんだって。」
恥ずかしいけれど、口に出したら実感が沸いて、なんだか目の前がきらきらして見えた。
「そうですか。安心しましたよ。
でしたら、帰って来たフォルティス様に少しでも早く伝えてあげてください。」
にっこりと嬉しそうに微笑んでくれた。
「そうするわ。
でも、、、言えるかしら。
初めてだし、なんて言ったらいいのか分からない。」
考えれば、考えるほど、不安になる。
「そういうものですよ。
だから、初恋は実らないと言われてるんです。
成功の鍵は、飾らない気持ちを率直に伝えることです。
上手く言葉が出なくても、絶対に待ってくれますから、ゆっくり自分の言葉で伝えることが大事なんですよ。」
大切なことを噛んで含めるように、教えてくれる。
「飾らない気持ちを自分の言葉で。ね?
分かったわ。」
アドバイスを心のなかでメモして、なんて言おうか、いろいろ考える。
「それと、練習はしすぎないことですよ。
不自然さが増すだけですので。
紙に書いたりしては、なお失敗する可能性が上がりますので。」
やっぱり、マリンは頼りになる。
くっくっくっくっくっ。
よっぽど必死だったんでしょうね。」
心配そうに迎えに来てくれたマリンと部屋に戻りながら、今日あったことを報告した。
部屋に着くと、さっそくドレスを脱ぐ手伝いをしてくれたが、笑いが止まらない様子。
「びっくりしたわよ。
まさかマリンが協力していたなんて。
それは確かに、私のほしいものがばっちり分かるわけね。」
そう言って、ちょうど付けていたフォルティスからもらったピアスを外し、じっと見る。
何回見てもかわいいと思う。
「あら、私はピアスを欲しがってますよ、と伝えただけですよ?
選んだのはフォルティス様です。」
「そうなの?」
「はい。
騎士団の人気のある後輩には聞きにくいから、と屋敷にいらっしゃったときに、お願いされたんです。
しかも、騎士団はみんな知っているそうですよ。
『指揮官様は一途に愛している人がいる。』
とか、
『誘いを断るのは女性に興味がないからだ。』
とか、
『恋愛の話になるといつもとの差がすごい』
とか。
幼なじみから聞いただけでも、いろいろでした。
どのくらい知っているかにもよりますが、みんな何かしら知っているそうですよ。
それもこの社交シーズンまでですけどね。
リリアンヌ様がデビューしてからは、フォルティス様の溺愛っぷりが社交界の噂になっているので、愛しの女性が誰かバレたそうですよ。」
部屋に着いてから笑い続けていたマリンは、とうとう涙が出てきたらしい。
私はというと、びっくりして口がふさがらない。
「そんなに!?」
「はい。カイ様もみんなに聞かれて大変だと言っておられましたから。
本当に羨ましいです!」
そう言って、恋する乙女のように手を胸の前で組んだマリンがどうして羨ましがるのか、分からなくて、首を傾げた。
「羨ましいの?どうして?」
「男性に愛されて結婚できることは、世の中の女性全ての夢ですから。
最近は恋愛結婚が増えていますが、まだまだいいなずけがいる世の中です。
好きな人に愛されることほど、幸せなことはありませんよ。」
いつも、マリンの答えはシンプルかつ的確だ。
「そうだったのね。
私は両親が恋愛結婚だから、そんなに珍しいことではないと思っていたわ。」
私の両親は何年経っても、らぶらぶだった。
「確かに旦那様たちはそうですね。
当時は、奥様の身分が少し下だったので、反対もあったそうですよ。」
「知らなかったわ。
2人とも言ってくれないから。」
すると、少し申し訳なさそうに教えてくれた。
「旦那様はもう関係ないことだから、と私たちにも話してはいませんよ。
私は当時の先輩にタブーとして聞いたんです。」
「話が離れてしまいましたが、フォルティス様がリリアンヌ様を大切にしているのは本当です。
私はリリアンヌ様を一番幸せにしてくれるのは、フォルティス様だと信じていますから。
ですが、、、嫉妬深いところだけは気をつけてくださいね。」
「えぇ。私もそろそろ認めるわ。
フォルティスのことが好きなんだって。」
恥ずかしいけれど、口に出したら実感が沸いて、なんだか目の前がきらきらして見えた。
「そうですか。安心しましたよ。
でしたら、帰って来たフォルティス様に少しでも早く伝えてあげてください。」
にっこりと嬉しそうに微笑んでくれた。
「そうするわ。
でも、、、言えるかしら。
初めてだし、なんて言ったらいいのか分からない。」
考えれば、考えるほど、不安になる。
「そういうものですよ。
だから、初恋は実らないと言われてるんです。
成功の鍵は、飾らない気持ちを率直に伝えることです。
上手く言葉が出なくても、絶対に待ってくれますから、ゆっくり自分の言葉で伝えることが大事なんですよ。」
大切なことを噛んで含めるように、教えてくれる。
「飾らない気持ちを自分の言葉で。ね?
分かったわ。」
アドバイスを心のなかでメモして、なんて言おうか、いろいろ考える。
「それと、練習はしすぎないことですよ。
不自然さが増すだけですので。
紙に書いたりしては、なお失敗する可能性が上がりますので。」
やっぱり、マリンは頼りになる。