夢物語
 久しぶりに開催された夏合宿も、無事に終了。


 非日常的な世界からまた、いつもの毎日へと引き戻された。


 職場と自宅、そしてサークル活動の行われる体育館とを行き来する毎日。


 日々のルーティーンから少し違った場所を探して、今日みたいに違うチームのメンバーと交流、情報交換したりもする。


 真夏のビアガーデン。


 気温上昇、かといって猛暑日でもなく、長時間屋外にいても厳しくないほどの真夏日。


 札幌で、ビアガーデン日和な日は夏でもそう多くはないので、今日はラッキー。


 会話の内容は、まず現状報告。


 最近出場した試合の話。


 悪名高い人たちの噂話などなど……。


 ……広田さんはお目当ての西本くんの隣の席。


 西本くんは周囲の人たちに気を遣い、あまり社交的なタイプではない広田さんには人一倍話しかけ、仲間に溶け込ませようとしている。


 あんなに親切にしたら、広田さんはますます好意を持つだろう。


 ある意味……罪な男。
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