夢物語
 「……どれほど好きだったのかは解らないですが、トラブルになってここにいられなくなるのは残念ですね。家庭もあるのに……、気持ちを抑えられなかったのでしょうかね」


 会ったこともない不倫カップルの話ではあるけれど、身近で発生した不倫トラブルに私はつい興味を持ってしまう。


 「それ以前は全然まじめな人で、よもやそんな大ごとを引き起こすとは、予想もつかなかったよね」


 「恋愛トラブルって、見るからに性にだらしない人がやらかすってパターンも存在するけれど。既婚未婚を問わず、まさかこの人が!? って感じの人が予想外の大事件を引き起こすことが案外多いんだよね」


 「とはいえもう、あんな騒動は懲り懲りだよ」


 升田夫の言葉には、実感がこもっている。


 「もう二度と恋愛トラブルで、仲間を失くしたくはないから。これからはみんな楽しく仲良く!」


 「不倫恋愛は金輪際御免こうむりたいけれど、ピュアな恋愛だったら大歓迎! サークル内恋愛を誰かが成就させてくれたら、我々仲人とかやらせてもらえるかも!?」


 升田妻ははしゃぐ。


 「仲人とかまでではなくても、サークル内カップルの結婚式が将来あれば、出席はしたいよね」


 升田夫も同意。
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