夢物語
西本くんのお父さんは市内でプリント加工などを手掛ける会社を経営しており、西本くんは次期社長らしい。
「現在はすでに副社長の座に就いてるんだよね」
「一応、御曹司ってやつ?」
従業員数十人単位の個人経営の会社とはいえ、いずれ「社長」の地位を手にすることには変わりない。
「プロスポーツチームのレプリカユニフォームの刺繍なども承っているし、かなり繁盛しているらしいね」
「それにしても離婚の話を聞いた時は、びっくりだったよ。あんなイケメンで人当たりもいいし、非の打ちどころのない好青年なんだけどね」
「いや……。あいつ、結構腹黒いですよ」
同い年の賢人は西本くんとプライベートでも、飲みに行ったりしているようだ。
「……賢人、他人(ひと)をディスって自分を上げる作戦は、見苦しいよ。男なら正々堂々と勝負しなさい」
「そういうわけじゃないですって!」
時に脱線しつつも和気あいあいとした雰囲気のまま、春の焼き肉パーティーは楽しく過ぎていった。
「現在はすでに副社長の座に就いてるんだよね」
「一応、御曹司ってやつ?」
従業員数十人単位の個人経営の会社とはいえ、いずれ「社長」の地位を手にすることには変わりない。
「プロスポーツチームのレプリカユニフォームの刺繍なども承っているし、かなり繁盛しているらしいね」
「それにしても離婚の話を聞いた時は、びっくりだったよ。あんなイケメンで人当たりもいいし、非の打ちどころのない好青年なんだけどね」
「いや……。あいつ、結構腹黒いですよ」
同い年の賢人は西本くんとプライベートでも、飲みに行ったりしているようだ。
「……賢人、他人(ひと)をディスって自分を上げる作戦は、見苦しいよ。男なら正々堂々と勝負しなさい」
「そういうわけじゃないですって!」
時に脱線しつつも和気あいあいとした雰囲気のまま、春の焼き肉パーティーは楽しく過ぎていった。