夢物語
 「……予想以上だったね」


 車の後部座席とトランクには、野菜の山。


 道の駅に併設された直売所で売られていた野菜は、想定していたよりもかなり廉価だったため、予算内で山のように購入することができた。


 親睦会は一週間後のため、日持ちするものを選び、それらは開催日までの間西本くんの会社の倉庫に保管してもらうことに。


 買い物を終えた後、道の駅内のショップなどを見て回り、ランチタイムを終えてすいてきたタイミングを見計らって食堂で海鮮丼を食べる。


 そして道の駅を出て、再び海岸沿いの道をドライブ。


 まだ明るいからもうちょっと北上して、岬の先端まで行ってみようって話になった。


 「冬になったらあのもうちょっと先は、通行止めになるんだよね」って私が言ったのがきっかけで。


 行けるうちに行ってみようという計画になり、突然の計画変更。


 さらに数十キロ北上することになった。


 一緒に過ごす時間が増えて、内心嬉しい秋の午後だった。
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