夢物語
「……焼き肉の際の買い出し担当って、いつも僕らコンビですよね」
スーパーの入り口でカートを取り出しながら、西本くんが笑った。
「私は、調理担当にはなれないから」
料理は未だに母親に任せっぱなしなので、苦手というかほとんどやらない。
「調理は主婦のみなさんに任せておけばいいんですよ。僕たちは好きなものを買わせていただきましょう」
カートを引く西本くんに先導され、精肉コーナーへと向かう。
「カルビとかラムとかでいいかな? あっ、国産や外国産にこだわる? 国産はやっぱり割高だよね」
「オーストラリア産でもいいんじゃないですか?」
「そう……。じゃこれなんか安いけど」
「あ、高橋さん。それしゃぶしゃぶ用の肉ですよ」
「そっか! ご、ごめん」
ついでに、焼肉のたれだとおもってカゴに入れていたビンも、よく見たらしゃぶしゃぶ用。
料理に関しては全く無知なことを隠そうとしても無駄な努力で、またしてもバレバレ。
焼き肉のたれは、隣の特設コーナーにずらっと並んでいた。
西本くんが手を伸ばし、高いところから一本手に取る。
身長差は十センチくらいだけど、腕のリーチにはもっと差が出る。
「高橋さんとお買い物すると、必ず面白いものが混ざっているから楽しいですね」
「あはは……。いつもご迷惑をおかけしまして」
イケメンの隣で苦笑いするしかない私。
スーパーの入り口でカートを取り出しながら、西本くんが笑った。
「私は、調理担当にはなれないから」
料理は未だに母親に任せっぱなしなので、苦手というかほとんどやらない。
「調理は主婦のみなさんに任せておけばいいんですよ。僕たちは好きなものを買わせていただきましょう」
カートを引く西本くんに先導され、精肉コーナーへと向かう。
「カルビとかラムとかでいいかな? あっ、国産や外国産にこだわる? 国産はやっぱり割高だよね」
「オーストラリア産でもいいんじゃないですか?」
「そう……。じゃこれなんか安いけど」
「あ、高橋さん。それしゃぶしゃぶ用の肉ですよ」
「そっか! ご、ごめん」
ついでに、焼肉のたれだとおもってカゴに入れていたビンも、よく見たらしゃぶしゃぶ用。
料理に関しては全く無知なことを隠そうとしても無駄な努力で、またしてもバレバレ。
焼き肉のたれは、隣の特設コーナーにずらっと並んでいた。
西本くんが手を伸ばし、高いところから一本手に取る。
身長差は十センチくらいだけど、腕のリーチにはもっと差が出る。
「高橋さんとお買い物すると、必ず面白いものが混ざっているから楽しいですね」
「あはは……。いつもご迷惑をおかけしまして」
イケメンの隣で苦笑いするしかない私。