夢物語
 父と二人きりの生活が始まったが、会社経営者で多忙だった父はなかなか家でゆっくりはできない。


 そこで父の先輩の娘にあたる女子大生が、家の面倒を見てくれるようになった。


 八歳年上のその人は、中学生だった俺に対し大学生。


 高校受験目指すための家庭教師としても、頑張ってくれるようになった。


 ……今思えば、あれは初恋だったのかもしれない。


 無事に合格し、高校生になったなら……告白しようとすら決意していた。


 春からこちらは高校生、向こうは新社会人。


 年齢差があったとはいえ、想いを隠したままではいられなかった。
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