夢物語
 北海道もようやく、季節は夏に突入したと断言できる時期になった。


 昼間は30度には遠く及ばないものの、体育館の中は蒸してまるでサウナ。


 大会が終わり、ようやく蒸し風呂から解放され外に出ると、夕刻の風は爽やかに感じられる。


 湿度は高めではあるものの、サウナのような体育館に比べると、断然天国。


 メンバーは一旦解散し、よく行く焼肉屋さんに午後六時に再集合となった。


 アルコール類をたしなみたい人たちは、公共交通で移動。


 私は一時帰宅して車を置いて来た後、バスで向かう。


 西本くんは地下鉄で登場した。


 「かんぱーい」


 「三位入賞、おめでとう!」


 私と西本くんがあと一歩及ばなかったのが最後勝敗の分かれ目となり、準決勝敗退に終わったものの、それでも見事三位入賞。


 残念会というより祝勝会のような雰囲気だった。
< 89 / 302 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop