鬼畜な兄と従順な妹
新しい学校 〜幸子Side〜
✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚
翌朝。私は前の日にお兄ちゃんから渡された、正確には放り投げられた、だけど、新しい学校の制服を着て、下へ降りた。
「まあ、素敵じゃない?」
そんな私を見て、すぐに母はそう言ってくれた。
「おかしくないかな?」
私は母の前で、クルッと回ってみたりした。
「全然、大丈夫よ」
モーニングコーヒーを飲んでる父も、
「よく似合ってるよ、幸子」
と言ってくれた。そこへ、やはり制服を着たお兄ちゃんも降りて来て、
「可愛いよ、幸子」
なんて言ってくれたけど、たぶん心の中では正反対だと思う。
朝食を戴いて、お兄ちゃんと家を出た。お金持ちの事だから、学校まで車に乗せてくれるのかな、と思ったのだけど、意外な事にバスと電車だった。通学定期を買わなくちゃだわ。
お兄ちゃんとは、殆ど話をしない内に学校に着いてしまった。中庭にクラス分けの掲示板があり、見たら私は3組で、お兄ちゃんは1組だった。
正直なところ、私はほっとした。だって、四六時中お兄ちゃんがそばにいたら、疲れると思うから。嫌味を言われたり、虐められるかもしれないし。
ところが、お兄ちゃんはそれが不満らしく、私の腕を引っ張って職員室に入って行った。すると驚く事に、殆どの先生が立ち上がって私達、というかお兄ちゃんを迎えた。たかが一人の生徒に、教師が立ち上がって迎えるって、どうなんだろう。普通じゃないと思う。
ただ、ざっと見たところ二人だけ、立たなかった先生もいた。一人は、お化粧は少し濃過ぎる感じだけど、とても美人な先生で、もう一人は目付きが鋭く、でもイケメンの若い先生だった。
この先生達に教わるといいのにな、と私は思った。
翌朝。私は前の日にお兄ちゃんから渡された、正確には放り投げられた、だけど、新しい学校の制服を着て、下へ降りた。
「まあ、素敵じゃない?」
そんな私を見て、すぐに母はそう言ってくれた。
「おかしくないかな?」
私は母の前で、クルッと回ってみたりした。
「全然、大丈夫よ」
モーニングコーヒーを飲んでる父も、
「よく似合ってるよ、幸子」
と言ってくれた。そこへ、やはり制服を着たお兄ちゃんも降りて来て、
「可愛いよ、幸子」
なんて言ってくれたけど、たぶん心の中では正反対だと思う。
朝食を戴いて、お兄ちゃんと家を出た。お金持ちの事だから、学校まで車に乗せてくれるのかな、と思ったのだけど、意外な事にバスと電車だった。通学定期を買わなくちゃだわ。
お兄ちゃんとは、殆ど話をしない内に学校に着いてしまった。中庭にクラス分けの掲示板があり、見たら私は3組で、お兄ちゃんは1組だった。
正直なところ、私はほっとした。だって、四六時中お兄ちゃんがそばにいたら、疲れると思うから。嫌味を言われたり、虐められるかもしれないし。
ところが、お兄ちゃんはそれが不満らしく、私の腕を引っ張って職員室に入って行った。すると驚く事に、殆どの先生が立ち上がって私達、というかお兄ちゃんを迎えた。たかが一人の生徒に、教師が立ち上がって迎えるって、どうなんだろう。普通じゃないと思う。
ただ、ざっと見たところ二人だけ、立たなかった先生もいた。一人は、お化粧は少し濃過ぎる感じだけど、とても美人な先生で、もう一人は目付きが鋭く、でもイケメンの若い先生だった。
この先生達に教わるといいのにな、と私は思った。