鬼畜な兄と従順な妹
お兄ちゃんと私は更に理事長室に入り、お兄ちゃんは学園長に、クラス分けを変更するように交渉した。つまり、お兄ちゃんと私が同じクラスになるように。例によって猫を被り、穏やかな口調で。
ところが、規則だから無理だと、学園長にきっぱり断られてしまった。いい気味だわ。
その時、学園長の口から神徳君の名前が出た。どうやら元生徒会長の優等生らしい。私は神徳君という人に、興味を覚えた。お兄ちゃんみたいな、猫被りだとがっかりだけども。
お兄ちゃんと別れて3組の教室へ行き、壁に座席表が貼ってあったのでそれを見た。すると、私の席は一番廊下側の後ろから3席目で、隣の子の名前を見たら、なんと"神徳直哉"と書いてあった。
そちらを見たら、黒髪が長くもなく短くもなく、ちょっと大人っぽい顔をした男子が座っていて、念のため席順を確認したけど、神徳君で間違いないようだった。
「よろしくお願いします」
私は自分の席、つまり神徳君の隣に座わり、彼にペコっとお辞儀をした。
「やあ、はじめまして。俺は神徳直哉。よろしくね?」
「村山幸子です。よろしくお願いします」
神徳君は、自分の事を"俺"って言ったから、お兄ちゃんみたいな猫被りではないと思う。私はそれだけで、神徳君に良い印象を持った。
ところが、規則だから無理だと、学園長にきっぱり断られてしまった。いい気味だわ。
その時、学園長の口から神徳君の名前が出た。どうやら元生徒会長の優等生らしい。私は神徳君という人に、興味を覚えた。お兄ちゃんみたいな、猫被りだとがっかりだけども。
お兄ちゃんと別れて3組の教室へ行き、壁に座席表が貼ってあったのでそれを見た。すると、私の席は一番廊下側の後ろから3席目で、隣の子の名前を見たら、なんと"神徳直哉"と書いてあった。
そちらを見たら、黒髪が長くもなく短くもなく、ちょっと大人っぽい顔をした男子が座っていて、念のため席順を確認したけど、神徳君で間違いないようだった。
「よろしくお願いします」
私は自分の席、つまり神徳君の隣に座わり、彼にペコっとお辞儀をした。
「やあ、はじめまして。俺は神徳直哉。よろしくね?」
「村山幸子です。よろしくお願いします」
神徳君は、自分の事を"俺"って言ったから、お兄ちゃんみたいな猫被りではないと思う。私はそれだけで、神徳君に良い印象を持った。