鬼畜な兄と従順な妹
「ここがおまえの部屋らしい」

 俺は、今日から幸子の部屋になったらしい部屋の前で言った。

「ちなみに俺の部屋はそっち。勝手に入ったら、ぶっ殺すからな」

 幸子の部屋は、いかにも女の部屋といった飾り付けになっていた。白とピンクを基調とし、レースやら何やらがふんだんに使われていた。

 幸子は、呆然と突っ立っていた。目を大きく見開いて。幸子の目は、黒目勝ちで大きいという事を知った。どうでもいい事だが。

「びっくりしたか?」

「……」

「返事をしろ!」

「は、はい」

「俺が何かを言ったら、すぐに返事をしろ。わかったか?」

「はい」

「よし。それでいい。そこに座れ」

 俺は幸子を4人掛けのソファに座らせ、部屋のドアを閉めると、幸子の向かいに座った。

「さっきの答えは?」

「はい、びっくりしました」

 こいつ、頭の回転は良さそうだな。実はちょっと足りないんじゃないかと思ったが、これなら虐め甲斐がありそうだ。
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