鬼畜な兄と従順な妹
俺は、まずはホッとしたものの、怒りが沸々と湧き上がり、腰を伸ばすと同時に男の一人に蹴りを入れた。サッカーで鍛えた脚力で。
そいつは「ゲホッ」とか言って吹っ飛び、俺は別の男の胸ぐらを掴み上げた。
「幸子に何をした?」
「な、何もしてません」
「嘘を付くな。何もしないで、こんなになるわけねえだろ!」
「そ、それは、コイツが先輩の顔をぶったからで、ぶ、ブラウスはあいつが……」
俺は”コイツ”と言われた男を蹴り上げ、”あいつ”は既に吹っ飛んでるから、
「おまえも連帯責任だ」
と言ってそいつを蹴り上げた。
俺が膝を床に着き、幸子の顔を覗き込んでいると、男達3人は「ごめんなさい」と、泣きながら謝った。
「わかったから、消えろ。もうこんなバカな事はすんなよ」
と俺が言うと、もう一度「ごめんなさい」と言って去って行った。
幸子は頭を打っているかもしれないから、意識が戻るまで頭は動かさない方がいいだろうと思い、幸子の頭を撫でるだけにして、
「幸子、目を覚ましてくれよ。頼むから、幸子、幸子ちゃん……」
そう声を掛けても幸子は目を開かない。やはり救急車を呼ぶべきだなと思い、スマホをポケットから取り出そうとしたら、
「直哉君?」
幸子の声がし、見れば幸子はゆっくりと目を開いた。しかし、”直哉君”は、ないんじゃないの?
そいつは「ゲホッ」とか言って吹っ飛び、俺は別の男の胸ぐらを掴み上げた。
「幸子に何をした?」
「な、何もしてません」
「嘘を付くな。何もしないで、こんなになるわけねえだろ!」
「そ、それは、コイツが先輩の顔をぶったからで、ぶ、ブラウスはあいつが……」
俺は”コイツ”と言われた男を蹴り上げ、”あいつ”は既に吹っ飛んでるから、
「おまえも連帯責任だ」
と言ってそいつを蹴り上げた。
俺が膝を床に着き、幸子の顔を覗き込んでいると、男達3人は「ごめんなさい」と、泣きながら謝った。
「わかったから、消えろ。もうこんなバカな事はすんなよ」
と俺が言うと、もう一度「ごめんなさい」と言って去って行った。
幸子は頭を打っているかもしれないから、意識が戻るまで頭は動かさない方がいいだろうと思い、幸子の頭を撫でるだけにして、
「幸子、目を覚ましてくれよ。頼むから、幸子、幸子ちゃん……」
そう声を掛けても幸子は目を開かない。やはり救急車を呼ぶべきだなと思い、スマホをポケットから取り出そうとしたら、
「直哉君?」
幸子の声がし、見れば幸子はゆっくりと目を開いた。しかし、”直哉君”は、ないんじゃないの?