異世界の巫女姫は、提督さんの『偽』婚約者!?
子供達は宝物
そうして少し重苦しい雰囲気のまま、私達はフロア6階に到着した。
少尉さんは6階の防火扉の前で待っていて、2人の不穏な空気を悟ったのか何も言葉をかけなかった。
まずいな……こんな嫌な雰囲気のまま三番勝負に突入なんて。
いい結果になる気がしない。
さっきは少しセンチになってしまったけど、すずなお嬢様の振りをするって決めたのは自分だし。
それはもう責任を持って全うするしかないじゃない!!
ビッチをね!!
良し!提督さんといつも通りにしなきゃ!

「あの、提督さん?」

と、隣を歩く提督さんに声をかける。

「ん?」

何事もなかったかのように……いや、そういう風を装っているな、提督さん。

「頑張りますので、応援宜しく!!」

「は………あっ、ああ!ああ!!もちろん!応援してる、見てるずっと!ずっとな!!」

いや、そんなに見られても困る。
照れます。
そして、近いですよ、そんなに迫らなくても聞こえますからー。
眼前に迫る程の距離に、私は多少ビビりながらあははと笑っておいた。

「ふふっ、私も応援していますよ」

空気が変わったことに気付いた少尉さんが、やっと話に加わった。
良かった、こうじゃないとね!
私も調子が出ないもん。
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