異世界の巫女姫は、提督さんの『偽』婚約者!?
子供達の出し物が終わると、次は、そう!お待ちかね!って待ってないけど『楸提督争奪戦、三番勝負』が行われる。
お遊戯室は可愛い内装のまま、三番勝負の対決会場に変わっていった。
舞台の上に長机を一つ、男の人が担いで上がると、鉛筆やそろばん、問題の書かれた用紙をその上に並べ、そそくさと壇上から降りる。
その脇で司会の御姉様が「あーあー、只今マイクのテスト中ー」とやたらと大声を出しているのが皆の笑いを誘った。
「んんっ!えー、紳士淑女のみなさん!お待たせしましたっ!これより《楸提督争奪戦、三番勝負》を開催します!対決の両者、前に!!」
「えっと……それではいってきますね」
私は提督さんを覗きこんだ。
「ああ。君はきっと勝つ、そうだな?」
「はい。提督さんが信じてくれていれば勝つと思います、よ?」
もう一度ギュッと手を握り、深く頷くと、提督さんは何も言わずに微笑みだけを返した。
なんか不思議。
本当に大丈夫そうな気がする。
膨らんだ悪意も、不安も。
その笑顔で帳消しになりそうなくらいに。
私はいい感じの緊張を保ちつつ、呼ばれるままに前に出た。
大原さんは既に御姉様の横にいて、不敵な笑みで私を待ち構えている。
お遊戯室は可愛い内装のまま、三番勝負の対決会場に変わっていった。
舞台の上に長机を一つ、男の人が担いで上がると、鉛筆やそろばん、問題の書かれた用紙をその上に並べ、そそくさと壇上から降りる。
その脇で司会の御姉様が「あーあー、只今マイクのテスト中ー」とやたらと大声を出しているのが皆の笑いを誘った。
「んんっ!えー、紳士淑女のみなさん!お待たせしましたっ!これより《楸提督争奪戦、三番勝負》を開催します!対決の両者、前に!!」
「えっと……それではいってきますね」
私は提督さんを覗きこんだ。
「ああ。君はきっと勝つ、そうだな?」
「はい。提督さんが信じてくれていれば勝つと思います、よ?」
もう一度ギュッと手を握り、深く頷くと、提督さんは何も言わずに微笑みだけを返した。
なんか不思議。
本当に大丈夫そうな気がする。
膨らんだ悪意も、不安も。
その笑顔で帳消しになりそうなくらいに。
私はいい感じの緊張を保ちつつ、呼ばれるままに前に出た。
大原さんは既に御姉様の横にいて、不敵な笑みで私を待ち構えている。