異世界の巫女姫は、提督さんの『偽』婚約者!?
「おねーさん!!お疲れ様ーーー!」

と、可愛いいくつもの声が耳に飛び込んできた。
なんとそこにはサキちゃん、ひろとくん、りょうくんの三人が扉の前でニコニコと笑っている姿が!
おっ!こ、これは!!もしや!
『打ち上げ』とか言うやつじゃない??
良く見ると店の中には、保護者の方々、フレディ、少尉さん、御姉様や大原さんまでいる。

「やぁ、やっと来たね?」

フレディはいつもの白衣でなく、ラフな白シャツにジーンズを履いて、爽やかな好青年に化けている。
いや、その爽やかさには騙されないゾ。

「昨日はお疲れ様です!疲れはとれましたか?」

少尉さんは、いつもの軍服だ。
たぶん仕事を抜けてきたんだね!
いいのかな?
まぁ、最高司令官が何も言わないんだからいいか!

「文化祭の翌日は学校も休みだからな。反省会するにはいいだろ?」

反省会!?打ち上げじゃなくて??
御姉様の言葉に、私は少し震えた。
だって、もうダメ出しされるのイヤだよぅ!!

「ふふ、反省会だなんて鶫様。素直じゃないのは昔からね。すずなさん、鶫様はね、あなたの労を労おうとしているの。言葉が足りないのは姉も弟も良く似ているでしょ?」

あ、そうなんだ。
うんうん確かに言葉が足りない上に、いろいろ拗らせる姉弟よね?
大原さんさすが幼馴染、よく知ってるわ。

「おいおい、沈黙は美徳という言葉を知らないのか?」

と、御姉様は笑った。
だけど『言葉が足りない』のと『沈黙は美徳』は意味が違うと思うよ?
……なんて、余計なことは言わぬが花。
私はまだ生きていたいのです……。
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