異世界の巫女姫は、提督さんの『偽』婚約者!?
海獣登場
徐々に姿を現すタコの前で、目を泳がせる私。
助けを求めるように私を見るフレディ。
そして、切れ長の目を更に細くしてフレディを睨む提督さん。
どう考えても揉めている場合ではないんだけど、提督さん、やっぱりここはスルーしてくれなかった!!
「フレディ……今、彼女をセリと呼んだか?」
「……さぁね……覚えてなーい」
フレディは口笛を吹くような振りをしてソッポを向いた。
……漫画のようだよ、それ、突っ込んで下さいって言ってるようなもんだからね!
「いや、言った!セリと!そうか……君は……君の名は……」
提督さんは目を見開いて私を見た。
どんな顔をするのかが怖くて、真っ直ぐ見ることが出来ない私は、視線を逸らし海を見る。
その海では、タコがぬぼぼぼと巨体を半分ほど現したところで、海獣らしからぬ円らな目でじーっとこちらを見つめていた。
「ご、ごめんなさい!いろいろ言いたいことはあると思いますが、ここは一つ、目の前のタ……海獣に集中しましょう!ね!」
ね!ともう一度念を押すと、フレディも振り子のように首を振る。
提督さんは黙って私を見、ふぅとため息をついてタコに向き合った。
そして、私とタコの間に入り、仁王立ちになると背を向けたまま言った。
「君が……セリが、ここで何をしたいのかはわからない。だが、ここにいるというのなら、オレもここに残ろう。オレもしたいことをする」
その声は力強い。
怒ってるのかもしれない……でも、そうとは思えないくらい優しい声だった。
助けを求めるように私を見るフレディ。
そして、切れ長の目を更に細くしてフレディを睨む提督さん。
どう考えても揉めている場合ではないんだけど、提督さん、やっぱりここはスルーしてくれなかった!!
「フレディ……今、彼女をセリと呼んだか?」
「……さぁね……覚えてなーい」
フレディは口笛を吹くような振りをしてソッポを向いた。
……漫画のようだよ、それ、突っ込んで下さいって言ってるようなもんだからね!
「いや、言った!セリと!そうか……君は……君の名は……」
提督さんは目を見開いて私を見た。
どんな顔をするのかが怖くて、真っ直ぐ見ることが出来ない私は、視線を逸らし海を見る。
その海では、タコがぬぼぼぼと巨体を半分ほど現したところで、海獣らしからぬ円らな目でじーっとこちらを見つめていた。
「ご、ごめんなさい!いろいろ言いたいことはあると思いますが、ここは一つ、目の前のタ……海獣に集中しましょう!ね!」
ね!ともう一度念を押すと、フレディも振り子のように首を振る。
提督さんは黙って私を見、ふぅとため息をついてタコに向き合った。
そして、私とタコの間に入り、仁王立ちになると背を向けたまま言った。
「君が……セリが、ここで何をしたいのかはわからない。だが、ここにいるというのなら、オレもここに残ろう。オレもしたいことをする」
その声は力強い。
怒ってるのかもしれない……でも、そうとは思えないくらい優しい声だった。