異世界の巫女姫は、提督さんの『偽』婚約者!?
ヨサクくんは、8本の触手をバシャバシャと海面に打ち付けた。
余波で那由多は大きく揺れ、甲板のフレディは体勢を崩し提督さんの腰にしがみいている。
それを嫌そうに引き剥がそうとしている提督さんも、足場の悪さにソーラーパネルに手をかけバランスをとっていた。
《じゃあ、ママをふねにもどすねー!》
大きな触手が体に巻き付き、そろりと優しく甲板に降ろした。
《ぼくこのちかくにいつもいるから、またさびしくなったらおはなししてねー?》
「うん。いつでも呼んで!あ、明るいうちは仕事があるからダメだからね!」
《わかったーー!!じゃねー!》
ブクブクブクブク…………。
ヨサクくんは触手を振りながら、ご機嫌で海に潜っていった。
大きな体が見えなくなると、また静かに揺れる波が戻ってきて、辺りはいつもどおりの代わり映えのない風景が戻っていた。
「やれやれ、沈没は免れたね」
というフレディは提督さんの腰から力一杯引き剥がされて、3メートル向こうまで転がっていく。
そして、提督さんは私に走り寄ると頭を抱え込むようにギュッと抱き締めてきた。
「提督さん、一件落着ですね。えへへ、役に立ってよかったー!あのコにね、ヨサクって名前つけたんです。それで……」
「話がある」
頭の上からガツンと降ってきた言葉に私は一瞬真っ青になった。
忘れてたけど、カミングアウトしちゃってたんだっけ?
一件落着、してないじゃん!!
余波で那由多は大きく揺れ、甲板のフレディは体勢を崩し提督さんの腰にしがみいている。
それを嫌そうに引き剥がそうとしている提督さんも、足場の悪さにソーラーパネルに手をかけバランスをとっていた。
《じゃあ、ママをふねにもどすねー!》
大きな触手が体に巻き付き、そろりと優しく甲板に降ろした。
《ぼくこのちかくにいつもいるから、またさびしくなったらおはなししてねー?》
「うん。いつでも呼んで!あ、明るいうちは仕事があるからダメだからね!」
《わかったーー!!じゃねー!》
ブクブクブクブク…………。
ヨサクくんは触手を振りながら、ご機嫌で海に潜っていった。
大きな体が見えなくなると、また静かに揺れる波が戻ってきて、辺りはいつもどおりの代わり映えのない風景が戻っていた。
「やれやれ、沈没は免れたね」
というフレディは提督さんの腰から力一杯引き剥がされて、3メートル向こうまで転がっていく。
そして、提督さんは私に走り寄ると頭を抱え込むようにギュッと抱き締めてきた。
「提督さん、一件落着ですね。えへへ、役に立ってよかったー!あのコにね、ヨサクって名前つけたんです。それで……」
「話がある」
頭の上からガツンと降ってきた言葉に私は一瞬真っ青になった。
忘れてたけど、カミングアウトしちゃってたんだっけ?
一件落着、してないじゃん!!