異世界の巫女姫は、提督さんの『偽』婚約者!?
「すみません。セリさんが悪い訳ではないのに……」
「ううん、大丈夫……フレディのところ行こ?」
「……はい」
私達は少し早足で進んだ。
待合室を抜けるといくつかの診察室があって、中ではそれぞれの担当医師が診察をしている。
少尉さんは4つ目の診察室で足を止めるとチラリとカーテンの向こうを覗き込んだ。
私もその後ろから覗く。
中ではフレディが医者っぽく、年配の女性を診察していた。
「少し待ちましょうか?」
「はーい」
と、二人で診察室前のソファーに座り込む。
その間にも、前を通る人がひっきりなしに棘のある視線をぶつけて来た。
お陰で昼食により満たされた私のライフは、MAX値からもう3分の1は軽く減ったと思う。
ヤバい、早く夕食を取らないと!と、冗談で気を紛らわせていると、ねちっこい視線が体に纏わりついてきた。
何て言うか、全身を舐め回すような気持ちの悪いもの。
その嫌な視線はどんどん近づいてきた。
「やぁ!すずなさん。無事で良かった、心配してたんだよ」
白衣を来た男が私に微笑みかけた。
男の視線は更に気持ちが悪くなり、寒気すら感じる。
……で!?アナタ誰なんですか!?
「軽々しく声をかけないでくれ!お嬢様はまだ疲れているんだ」
少尉さんが、サッと私の前に出て庇うように立ち塞がる。
きゃーー!王子様みたいでカッコいいです!!
「君こそすずなさんと僕の仲に割り込まないでくれ、ねぇ」
するりと少尉さんをかわすと、男は私の肩にいやらしく触れた。
ぎゃぁ!気持ち悪い!!
そう思って、手を払いのけようとした時、診察室のカーテンが勢い良く舞い上がった。
次に白い何かが飛び出して、男に掴みかかる!
「何触ってんだコラァ!!汚たねぇ手をどけやがれ!」
白い何かはフレディだった!
フレディは別人のように男を怒鳴り付け、その首元を掴みグイグイと吊し上げる。
気品ある出で立ちの、ハーフかクォーターの彼は、今、完全に『その筋の人』にしか見えない。
どうしてかはわからないけど、激しく怒っている。
「フ、フレディ……待て………くっ、すまん、悪かった……もうしないっ、から……」
その声を聞き、フレディは男を乱暴に放した。
そして、もう一度ドスのきいた啖呵を切る。
「このクソヤロウ!!2度と彼女に触れるんじゃねーぞ!」
フレディーーー!?
マフィアですか!?いや、ヤクザですか!!
フラフラと去っていく男の背中を睨む、フレディの鼻息はまだ荒い。
それを見て、少尉さんがクスクス笑いながら声をかけた。
「さすがです、先生。伊達にドイツ軍隊出身じゃないですねぇー」
ドイツ軍!?
なんか……それ聞いただけで怖いんだけど。
「……ああいうのを見ると気分が悪いんだ。しかも、私の巫女に汚い手で触れやがって……」
はい?「私の巫女」って仰いましたか?
まだ何も伝えてないのに?
不思議そうに見る私の視線に気付き、フレディは表情をコロッと変えて満面の笑みを浮かべる。
そして、何事もなかったように紳士みたいな笑顔で言うのだ。
「失礼、びっくりさせたね?さぁ、私の部屋でゆっくり話を聞こうか!!」
そ、そんないい笑顔で言っても、騙されないんだからねーーー!
「ううん、大丈夫……フレディのところ行こ?」
「……はい」
私達は少し早足で進んだ。
待合室を抜けるといくつかの診察室があって、中ではそれぞれの担当医師が診察をしている。
少尉さんは4つ目の診察室で足を止めるとチラリとカーテンの向こうを覗き込んだ。
私もその後ろから覗く。
中ではフレディが医者っぽく、年配の女性を診察していた。
「少し待ちましょうか?」
「はーい」
と、二人で診察室前のソファーに座り込む。
その間にも、前を通る人がひっきりなしに棘のある視線をぶつけて来た。
お陰で昼食により満たされた私のライフは、MAX値からもう3分の1は軽く減ったと思う。
ヤバい、早く夕食を取らないと!と、冗談で気を紛らわせていると、ねちっこい視線が体に纏わりついてきた。
何て言うか、全身を舐め回すような気持ちの悪いもの。
その嫌な視線はどんどん近づいてきた。
「やぁ!すずなさん。無事で良かった、心配してたんだよ」
白衣を来た男が私に微笑みかけた。
男の視線は更に気持ちが悪くなり、寒気すら感じる。
……で!?アナタ誰なんですか!?
「軽々しく声をかけないでくれ!お嬢様はまだ疲れているんだ」
少尉さんが、サッと私の前に出て庇うように立ち塞がる。
きゃーー!王子様みたいでカッコいいです!!
「君こそすずなさんと僕の仲に割り込まないでくれ、ねぇ」
するりと少尉さんをかわすと、男は私の肩にいやらしく触れた。
ぎゃぁ!気持ち悪い!!
そう思って、手を払いのけようとした時、診察室のカーテンが勢い良く舞い上がった。
次に白い何かが飛び出して、男に掴みかかる!
「何触ってんだコラァ!!汚たねぇ手をどけやがれ!」
白い何かはフレディだった!
フレディは別人のように男を怒鳴り付け、その首元を掴みグイグイと吊し上げる。
気品ある出で立ちの、ハーフかクォーターの彼は、今、完全に『その筋の人』にしか見えない。
どうしてかはわからないけど、激しく怒っている。
「フ、フレディ……待て………くっ、すまん、悪かった……もうしないっ、から……」
その声を聞き、フレディは男を乱暴に放した。
そして、もう一度ドスのきいた啖呵を切る。
「このクソヤロウ!!2度と彼女に触れるんじゃねーぞ!」
フレディーーー!?
マフィアですか!?いや、ヤクザですか!!
フラフラと去っていく男の背中を睨む、フレディの鼻息はまだ荒い。
それを見て、少尉さんがクスクス笑いながら声をかけた。
「さすがです、先生。伊達にドイツ軍隊出身じゃないですねぇー」
ドイツ軍!?
なんか……それ聞いただけで怖いんだけど。
「……ああいうのを見ると気分が悪いんだ。しかも、私の巫女に汚い手で触れやがって……」
はい?「私の巫女」って仰いましたか?
まだ何も伝えてないのに?
不思議そうに見る私の視線に気付き、フレディは表情をコロッと変えて満面の笑みを浮かべる。
そして、何事もなかったように紳士みたいな笑顔で言うのだ。
「失礼、びっくりさせたね?さぁ、私の部屋でゆっくり話を聞こうか!!」
そ、そんないい笑顔で言っても、騙されないんだからねーーー!