異世界の巫女姫は、提督さんの『偽』婚約者!?
鳩が豆鉄砲食らってるような私の前で、提督さんは可愛く首を傾げて見せた。
そんな可愛いことをしても許しませんよ!

「あの絶叫が可愛いと!本気で!思ってるんですか?」

「可愛いと思います」

何で敬語!?

「えー………それで、ベッドの中で、シーツ被って、声を殺して、笑っていたと。そう言うことでよろしいか?」

「………よろしいです」

…………………。
アホらしくなってきた。
もういいや、お腹も空いたし……あっ!
そう言えば!!

「提督さん、今日ですね、少尉さんに甘いものを買って貰ったんです!良かったら一緒にどうですか??」

私は持っていたカップケーキの包みを提督さんの前にドンと置いた。
正座したままで私の様子を伺い、あ、もう怒ってないな?と判断した提督さんは見るからにホッとしている。
そして、ベッドから降りて応接セットに腰かけると、ニコニコ笑って手招きをした。
何だかなぁー、もう完全に許したと思ってるみたいだけど?
お腹が空いてるだけだからねっ!

「これ、フレディに美味しいお茶を貰ったんだ。淹れて一緒に飲もうか?カップケーキと良く合うぞ」

許します。
美味しいお菓子に、美味しいお茶。
この至福の幸せをありがとう神様、少尉様、フレディ様、提督様!!

「わーい!早速お茶淹れますねー!ちょっと待ってて下さい。今すぐお湯を沸かして……」

「ああ、もうここに沸いてるのがある」

何ですと!?
提督さん、気が利きすぎて逆に怖い。
どうしたんですか?

「……あ、どうも……ありがとうございます。なんか、随分用意がよろしくて……?」

「まぁ、行動がわかればな。あ、お湯が冷めるぞ?」
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