異世界の巫女姫は、提督さんの『偽』婚約者!?
その帰りの提督さんは、やっぱりすこぶる機嫌が悪かった。
ハリウッド女優とどういった関係かは知らないけど、この様子だと何かあったのは間違いない。
すれ違う人が、ひっ!て言いながら大きく横に飛び退くほどの般若顔だからね。
モーゼだね。
人の波が二つに割れたもん。
「提督さん……」
後ろにいた私は、提督さんの横に並んだ。
「ん、ああ。どうした?」
「夕食は何でしょうねぇ?」
「…………夕食……わからんが……」
提督さんは仏頂面のまま。
「そうですか……まぁ、お腹が一杯になれば笑顔になりますよ」
「………………………」
うーん、ダメか。
私と違って提督さんは、ご飯で機嫌が直るほど単純じゃないか。
と、思ってたんだけどね。
提督さん、いきなり私の手を掴みグイグイと引いて小走りになった。
「ど、どうしたんです?」
てっきりまだ般若の面を被ってるのかと思いきや、振り向いたその顔はとても穏やかだった。
そして、驚いた顔の私に言う。
「早く帰って夕飯を食べたくなった!君と一緒に!」
そうか!やっぱりお腹、空いてたんだ。
だからイライラが倍増したんですね?
「そうですね!早く帰りましょう!!」
私のお腹はぐぅぅーと鳴ったけど、喧騒の中ではそれも聞こえない。
そして、提督さんがその後言った言葉も、私には聞こえていなかった。
ハリウッド女優とどういった関係かは知らないけど、この様子だと何かあったのは間違いない。
すれ違う人が、ひっ!て言いながら大きく横に飛び退くほどの般若顔だからね。
モーゼだね。
人の波が二つに割れたもん。
「提督さん……」
後ろにいた私は、提督さんの横に並んだ。
「ん、ああ。どうした?」
「夕食は何でしょうねぇ?」
「…………夕食……わからんが……」
提督さんは仏頂面のまま。
「そうですか……まぁ、お腹が一杯になれば笑顔になりますよ」
「………………………」
うーん、ダメか。
私と違って提督さんは、ご飯で機嫌が直るほど単純じゃないか。
と、思ってたんだけどね。
提督さん、いきなり私の手を掴みグイグイと引いて小走りになった。
「ど、どうしたんです?」
てっきりまだ般若の面を被ってるのかと思いきや、振り向いたその顔はとても穏やかだった。
そして、驚いた顔の私に言う。
「早く帰って夕飯を食べたくなった!君と一緒に!」
そうか!やっぱりお腹、空いてたんだ。
だからイライラが倍増したんですね?
「そうですね!早く帰りましょう!!」
私のお腹はぐぅぅーと鳴ったけど、喧騒の中ではそれも聞こえない。
そして、提督さんがその後言った言葉も、私には聞こえていなかった。