異世界の巫女姫は、提督さんの『偽』婚約者!?
女優の想い
暫くして、げんなりした顔の提督さんとほくほく笑顔の御姉様は、私達のいる部屋に戻ってきた。
「3日後の文化祭興業《楸提督争奪戦三番勝負》の開催が決定したよ。鷹人も納得した」
御姉様がはじける笑顔で言うと、さっきまで覇気のなかった大原さんは俄然元気を取り戻し、私を振り返った。
「では3日後、正々堂々と戦いましょう!!絶対に負けませんわよ!」
と、息巻き、
「………お受けします」
私もそれに答えた。
大原さんはふんっ、と踵を返し意気揚々と去っていく。
私は暫くその背中を見ていたけど、不意に近くから発せられる視線に気づき俯いた。
側で提督さんが見てる。
なんとも言い難い、複雑なこの視線。
これは……どういった種類のもの?
言葉を失った二人の側で、御姉様が場を和ませるように言った。
「……まぁ、すずな嬢も優秀じゃないか……大丈夫だろ?」
そんな能天気な御姉様を、提督さんは睨みつけた。
「他人事だな……さっきも言った通り、あいつが勝ってもオレがすずなと別れることはない」
え?マジで??
それじゃあ……やる意味がないんじゃ……。
淡々と言う提督さんに御姉様は頭を抱えて座り込んだ。
そして、頬杖をつくと溜め息まじりに言う。
「あいつの気持ちも少しはわかってやれよ。小さい頃から、お前の嫁になるつもりで頑張ってきたのに……ある日突然振られて……私はあいつが気の毒でな」
……そうだったんだ。
あの苛烈な感情には、何十年もの思いが詰まっていたんだね。
小さい頃から思っていたのなら、すずなお嬢様に横取りされた、って思うのも無理ない。
きっと、それでも、提督さんを幸せにしてくれるような人なら諦めもついたかもしれないのに、よりにもよってビッチだなんて。
あんな風になるのも少しわかるわ。
「3日後の文化祭興業《楸提督争奪戦三番勝負》の開催が決定したよ。鷹人も納得した」
御姉様がはじける笑顔で言うと、さっきまで覇気のなかった大原さんは俄然元気を取り戻し、私を振り返った。
「では3日後、正々堂々と戦いましょう!!絶対に負けませんわよ!」
と、息巻き、
「………お受けします」
私もそれに答えた。
大原さんはふんっ、と踵を返し意気揚々と去っていく。
私は暫くその背中を見ていたけど、不意に近くから発せられる視線に気づき俯いた。
側で提督さんが見てる。
なんとも言い難い、複雑なこの視線。
これは……どういった種類のもの?
言葉を失った二人の側で、御姉様が場を和ませるように言った。
「……まぁ、すずな嬢も優秀じゃないか……大丈夫だろ?」
そんな能天気な御姉様を、提督さんは睨みつけた。
「他人事だな……さっきも言った通り、あいつが勝ってもオレがすずなと別れることはない」
え?マジで??
それじゃあ……やる意味がないんじゃ……。
淡々と言う提督さんに御姉様は頭を抱えて座り込んだ。
そして、頬杖をつくと溜め息まじりに言う。
「あいつの気持ちも少しはわかってやれよ。小さい頃から、お前の嫁になるつもりで頑張ってきたのに……ある日突然振られて……私はあいつが気の毒でな」
……そうだったんだ。
あの苛烈な感情には、何十年もの思いが詰まっていたんだね。
小さい頃から思っていたのなら、すずなお嬢様に横取りされた、って思うのも無理ない。
きっと、それでも、提督さんを幸せにしてくれるような人なら諦めもついたかもしれないのに、よりにもよってビッチだなんて。
あんな風になるのも少しわかるわ。