異世界の巫女姫は、提督さんの『偽』婚約者!?
「嫌だと言ったら?」
そう言った提督さんに、
「嫌だって言うんですか?」
と返す。
側で見ていた御姉様が、珍しく動揺している。
何が起こってもびっくりしないような御姉様はその細い目を大きく見開いた。
静かに私を見つめる提督さん。
そんな提督さんを睨むような私。
2人を見て、御姉様はまた大きな溜め息をつき、今度は立ち上がった。
「明日まで待つよ。良く話し合って、もう一度やるかどうか、答えを聞かせてくれ……私も別にお前達にケンカをさせたいわけじゃない」
「………わかりました」
私が答えると、提督さんは目を逸らし先に部屋を出て行く。
それを確認してから残された私に御姉様はボソッと小さく呟いた。
「……悪いな……」
その呟きに答える間もなく、御姉様も部屋を後にした。
今の『悪いな』は、ケンカをさせて悪かった……ではなく、きっと……。
『別れさせて悪いな』の方だと思った。
御姉様も私が勝つなんて少しも考えていない。
むしろ、私が負けて婚約解消させる方が狙いなのかもしれない。
ビッチと婚約させられた弟のために、その弟を愛する幼なじみのために。
そう言った提督さんに、
「嫌だって言うんですか?」
と返す。
側で見ていた御姉様が、珍しく動揺している。
何が起こってもびっくりしないような御姉様はその細い目を大きく見開いた。
静かに私を見つめる提督さん。
そんな提督さんを睨むような私。
2人を見て、御姉様はまた大きな溜め息をつき、今度は立ち上がった。
「明日まで待つよ。良く話し合って、もう一度やるかどうか、答えを聞かせてくれ……私も別にお前達にケンカをさせたいわけじゃない」
「………わかりました」
私が答えると、提督さんは目を逸らし先に部屋を出て行く。
それを確認してから残された私に御姉様はボソッと小さく呟いた。
「……悪いな……」
その呟きに答える間もなく、御姉様も部屋を後にした。
今の『悪いな』は、ケンカをさせて悪かった……ではなく、きっと……。
『別れさせて悪いな』の方だと思った。
御姉様も私が勝つなんて少しも考えていない。
むしろ、私が負けて婚約解消させる方が狙いなのかもしれない。
ビッチと婚約させられた弟のために、その弟を愛する幼なじみのために。