「Last note」特性を持つ者へ〜5
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強風の音、地鳴りの音。エールの声。

全てが俺の聴覚から消える時……

嗅覚だけの世界が訪れる…。

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風の匂い……。

強風の中を荒々しく舞う
アネモネの花の匂い…。

母さんが良く使っていた香水の匂い…。

そして、ゆめちゃんの涙の匂いがした時、

俺のビジョンの中で何か神聖なモノが開眼した。

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「母さん……"眠って…"。」


"魔性"を放つ右手と廣瀬の左手。
俺の意識と連動して、

母さんではなく、器であるゆめちゃんに

"魔性"をかけた……。

その瞬間、
ゆめちゃんの胸から放っていた光が消えた。

『ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙…なんて事を…っ!』

絶望でその場で崩れた母さん。

すると光を失ったゆめちゃんが、
ふわりと1人でに空中に浮いた。
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