「Last note」特性を持つ者へ〜5
「どっちでも、愛してる。」
その言葉が、俺の心にスっと響いて
目頭が熱くなった。
「俺もだ…。」
2人して涙を堪える物だから、鼻が赤くなってきて、それを見合って笑った。
「涙脆くなったわね、私達。」
「そうだな。それだけ赤ちゃんの存在は尊いもんだって事だよ。少しおやすみ。」
おでこにキスを落とすと、素直にレナさんは眠りについた。
俺は食べたかった肉じゃがを作りながら、
1人して泣いた。
グツグツ煮込まれる鍋の中に、
一筋の涙のスパイスが加わった…。
産まれてくる子供の為にも、
何としてでも"無垢"の開花を防がないと…。
俺は料理をしながら、
改めて強く誓った……。
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