「Last note」特性を持つ者へ〜5
俺の言葉を聞き入れたのか、

光が収まった……。

そっと目を開けると、俺と廣瀬の視界には、別世界が現れた…。

「ここは……花畑?」

「夢に出てきた場所だ。アネモネの花。」

『…遥斗……。』

俺達の目の前に、
美しいブロンドの髪を靡かせた女性が現れた。

彼女は眠ったゆめちゃんを両手に抱えて、
俺たちを憂いある瞳で見つめている。

「母さん…こんな形で逢えるなんて思ってなかったよ。」

そう。その女性は、俺が"Last note"を開花した原因のトラウマのきっかけを作った人。

亡くなった俺の母親だった…。

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